【実験】アドラー心理学 x コンカフェ

コンカフェという場所。コンカフェで生まれる感情。キャストとしての立ち位置や葛藤。客としての立ち位置や葛藤。
アドラー心理学に当てはめた時、どのように見て、どのように分析するか。を遊び半分で検証してみようと思います。

■ 1. キャスト視点:アドラー的分析

● 劣等感と補償

  • 「かわいい子が多い」「人気キャストとの差」など、見えない競争から劣等感を抱きやすい。
  • それを補うために「SNS映え」「接客力の演出」「人気の“型”に自分を寄せる」などの補償行動をとる。
  • 過剰補償に走ると、燃え尽き・自己否定・人間不信などに繋がることも。

● 課題の分離

  • 客の態度(過干渉・過期待・過投資)は「相手の課題」。
  • だがキャストは「推される側」として“応えなければ”という幻想にとらわれ、他者の課題を自分の課題として背負ってしまいがち

● ライフスタイル(思考パターン)

  • 「愛されたい」「必要とされたい」という承認欲求を原動力とし、接客スタイルやキャラクターを形成する。
  • しかしライフスタイルが「愛されなければ価値がない」と極端になると、精神的に不安定に。

● 勇気づけ vs 批判

  • スタッフ・客・周囲からの勇気づけがあれば「自分らしいまま接客してもいい」と安心できる。
  • 逆に、「あの子は〇〇だから人気なんだよね」などの陰口は、勇気を削ぎ、対人関係に恐れを生む。

● 共同体感覚の喪失

  • キャスト同士の上下・派閥・人気争いが顕在化すると、「チームとしての貢献」より「個の承認」に偏りがち。
  • 他者との協力感覚が持てないと「戦うか逃げるか」の対人姿勢になり、孤立や過度な競争へ。

■ 2. 客視点:アドラー的分析

● 劣等感と補償

  • 「リアルでは自信がない」「モテない」「社会では見られていない」という劣等感を補償するために、
     キャストに“推される”ことで自己価値を回復しようとする行動がある。
  • 推しに貢ぐ、独占欲を見せる、境界を超えるのは、補償行動の一形態。

● 課題の分離ができていない

  • 「俺が応援してるんだから、〇〇してくれるべき」と思うのは、他者の自由(キャストの選択)を奪う思考。
  • 「推しの幸せ」と「自分の満足」がごっちゃになっていて、過剰な干渉に繋がる。

● ライフスタイル

  • 「お金を使う=愛情」「誰よりも通う=自分の存在価値」と思っている客もいる。
  • ライフスタイルとして「自分がいなければ成り立たない」「俺は特別だ」という誤った認知があると、トラブルの温床に。

● 勇気づけの欠如

  • 現実社会での挫折や孤独により、自分に勇気が持てない。
  • キャストからの対応が“優しさ”ではなく“営業”に見えた瞬間、自尊心を崩されて攻撃的になることも。

● 共同体感覚の欠如

  • コンカフェを自己の承認欲求を満たす場としか捉えられないと、他者(他の客・キャスト)を尊重する意識が失われる。
  • 結果、「推しの負担」「空気の悪化」「孤立」といった状況を自ら招く。

■ 総合的に見ると

アドラー心理学では「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言いますが、
コンカフェという舞台は、まさに対人関係の感情が交差・錯綜する現場です。


🌱 アドラー的に健全な在り方とは?

役割健全な在り方(アドラー的)
キャスト「他者貢献」を意識して、自分自身も尊重すること。演じすぎず、自分らしさにOKを出せる状態。
「推すこと=与えること」と捉え、キャストの選択を尊重する。他者の自由をコントロールしようとしない。
店の運営共同体感覚を育む文化づくり。キャスト・客・店舗がチームであるというビジョン共有。

おまけ

アドラー心理学の観点をベースにしたキャスト研修資料と、お客様向けの注意喚起文言を考えてみましょう。

🎓 キャスト研修資料(抜粋)

🎀 テーマ:「“推される私”ではなく、“私らしく輝く私”へ」


1. あなたの価値は「人気」で決まらない

  • アドラー心理学では「人は他者と比較せず、自分らしく生きることに価値がある」とされています。
  • 他の子と比べて落ち込んだり、自分の強みを否定しないでください。
  • 🌱「○○ちゃんだから好き」と言ってもらえる接客こそ、あなただけの価値です。

2. 「推しに応えなきゃ」は危険信号

  • お客様の期待に応えようとするのは素敵なこと。でもそれが「私が笑わなきゃ」「無理してでも会話続けなきゃ」になっていたら黄色信号。
  • 🛑 相手の感情や満足は「相手の課題」です。あなたが責任を持つものではありません。
  • 課題を分けて、自分の限界や心を守りましょう。

3. 「しんどい」が出てきたら…それは“勇気不足”ではなく“勇気のサイン”

  • つらいときに「弱い私でごめんなさい」と思うのはNG。
  • アドラーは「困っている人に必要なのは叱咤でなく“勇気づけ”」だと言っています。
  • 🍀 まずは自分を勇気づける。→ そのうえで、店長や仲間に「助けて」と言っていい。

4. チームで働くということ

  • 人気・指名・パフォーマンス…すべて「自分だけの勝ち負け」で見てしまうと孤立します。
  • アドラーは「共同体感覚こそ人間の幸福の鍵」と述べています。
  • 🤝 誰かが落ち込んでたらそっと声をかける。相談されたら否定せず聞く。それが“強い人”です。

🧾 お客様向け注意喚起文言(店内掲示・HP用)


🛎️【ご来店の皆様へ】

当店では、お客様とキャストが共に楽しい時間を過ごせる空間づくりを目指しています。
そのために、以下の点へのご理解とご協力をお願いいたします。


💬「仲良くなる」と「干渉する」は違います。

キャストにはそれぞれの想いや事情があり、すべての期待に応えることはできません。
過度な詮索・独占・DMなどはお控えください。
→ お互いの距離を大切にすることで、より良い関係が築けます。


💖「応援したい」という気持ちが一番嬉しい

たくさん来てくれる、プレゼントをくれる、指名してくれる――
それ以上にキャストが喜ぶのは「無理せず応援してくれる心」です。


👑「特別でいたい」と思う気持ちは自然です

ですが、他のお客様を否定したり、キャストの自由を奪うような行為はお控えください。
→ キャストにも「選ぶ自由」があります。それを尊重できるお客様は、誰よりも素敵です。


🌟 みんなでつくる、あたたかいお店に

当店は「誰かの居場所であり、誰かの働く場所」です。
お互いが尊重し合える空間を、皆様と一緒に作っていきたいと願っています。

まとめ

どうでしたか?
アドラー心理学をベースに、コンカフェという場所を考えてみた。

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PinkPanda
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nuts、小悪魔ageha、LARME、ラブベリーといった女性誌の元編集者。現在はブランディングやプロモーションなどを行うディレクター業。そんな中時間を見つけてコツコツまとめます。
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